しきなみ短歌6月号より 法人関係者を抜粋
白光集
◆ 岩槻 横山みつほ
トナカイまたサンタの光につつまれておとぎの世界に入りゆく孫
スタジオにレモン色のドレス着て三歳の孫のおすましの顔
いきつけの店に集えば店長が差し入れくるるおでんの大皿
群蛍集
◆ シルバーカー 前川第二 浅尾和子
初春に孫から嬉しきお年玉初めて購うシルバーカー
生かされて幸せ思うしみじみとシルバーカーに「ありがとう」を言う
真砂集
◆ 前川 井田誠一
黒川の白き湯煙り癒し色ぬる目の湯にも趣きのあり
黒川のせせらぎの音聞きながら自然の中に生きている我
◆ 大宮 和田せつ子
生垣の木瓜の一群れほつほつと花色淡く咲き初めにけり
一筋のひこうき雲のしるくして西めざしゆく太寒の空
飛雲集
◆ 孫 浦和法人 篠田 喜弘
授かりし孫を抱く手はこわごわにあやす仕草はとっておきなり
週末に真央ちゃんが来る連絡に爺爺も婆婆も浮き浮きと笑む
◎評 孫のかわいさの表現が巧みで印象的です。まれに来る孫は
余計に気になります。
◆ 一年生箱根の坂をかけ登り八人を抜き首位に立ちたり 岩槻 木城茂雄
◆ おめでたのおばさんの腹なでながら耳あてて聴く孫の二人は 三郷 加藤地次
◆ 一年間風邪はひかぬという伝えどっぷりつかる冬至のゆず湯 差間北原台 伊藤 譲次
青泉集
◆ 初 孫 越谷 大住賢治
初孫は産まれた途端に主役の座寝顔泣き顔また笑まう顔
赤鬼のように泣かれし初孫に全面降伏娘(こ)を呼びにけり
◎評 初孫の誕生、お目出度う御ざいます。寝顔、泣き顔、にんまり笑う顔、どれを
眺めても主役。真っ赤になって泣かれると、やっぱりママの出番ですね。
初孫さんをよくとらえて詠まれました。
◆ 年越し 松伏 竹俣吉康
年越しの蕎麦すすりつつ一年を顧みすれば急変の年
黙々と牛の如くに働きぬ得意なること一つと無きも
◎ 評 昨年は大変な年でした。そして、年明けも不況の嵐が吹き捲っています。
黙々と働く事こそが一番大切な取り柄です。先師の「苦難福門」を信じて、
お互い仕事に励んでまいりましょう。
◆ 駐車場いっぱいの客を引き寄せる国産大豆の甘き豆腐は 越谷 米山 照子
◆ 節分は今年の場合は国中で不況の鬼を追いはらいたい 新郷 栗林 重夫
◆ 寒風の吹きすさぶ夜に帰る家子らの寝顔に心は春風 浦和法人 小滝敏郎
◆ ビル街に日暮が既に迫りつつ待ち人の影を我に引き寄す 浦和法人 荒井康治
◆ 公園のトイレ掃除にはげむ朝凍てつく手足に陽だまり恋し 西行田 小澤政治
◆ 冬色に沈み広がる信州路父看に帰るわが目にかなし 浦和法人 浅野 博
◆ 春よこい大きな声でうたう孫背にランドセル鏡に映す 大宮氷川 内海頼子
◆ 目をはらしあくびをひとつコート着るもうすぐ春だ頑張れ我が子 浦和法人 志村厳
◆ 元旦の日の出拝みこの一年喜び満ちた働きを誓う 松伏 岡田愛子
◆ 年越しのそばを夫と戴きてかたみに分けるビール一缶 越谷 山下ヨシ子
◆ 実家から呼びだし父母孫を見て微笑みこぼしよろこびており 浦和法人堀切広子
◆ 風吹きてフェニックスの葉ゆれなびくインディアンの羽飾りの様に 浦和法人前田勝弘
◆ 我が妻の作る食事を幼子のごとく待ちわぶ米寿の義母は 浦和法人小山昭男
◆ 路肩には木枯し吹いて積む落ち葉ゴミになるやら土に生(な)るやら 浦和法人 國武 建明
◆ 寒い道ごみ拾いつつ急ぎ足胸はあたたかMSの朝 浦和法人 久慈須美子
◆ 寒中に想うのは父母のやさしい笑みと厳しき言葉 浦和法人 小野寺文男
◆ 高熱も可愛いい声にはげまされ癒されては寝てはいられず 大宮氷川 大竹豊子
◆ 高尾山三十八度のケーブルカー下りの車窓に映える南天 西行田 清水義夫
◆ 行田には足袋と古墳の歴史あり伝統伝える柄足袋履いて 西行田 金子袈裟巳

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