しきなみ短歌3月号より 法人関係者を抜粋
白光集
● 埼玉岩槻 横山みつほ
青鷺のうずくまりいるあかときの水面を低くカワセミが飛ぶ
一房のぶどうの様に育てられ兄弟五人末の子は病む
六本木ヒルズ屋上水族館ガラスの向う夜景広がる
群蛍集
● 包装紙 埼玉 前川第二 浅尾 和子
包装紙みつめておれば過ぎし日の旅の思いでせまる秋の夜
戦中の物なき頃を思い出し包装紙いかしつくるブローチ
○評 戦中戦後の物の乏しい時を経験している私達世代は
懐かしさを伴ないつつの共感を誘われます。
真砂集
● 埼玉 大宮 和田せつ子
雷鳴と激しき雨の過ぎ後東天の月秋のニュアンス
水しぶきあげて餌を欲る鯉の群れ尊徳神社の境内に棲む
● 埼玉 前川 井田 誠一
大波の引くがごとくに孫帰るあとの静けさ淋し誘う
庭先に鳴く虫の姿なく曼珠沙華の花紅の際立つ
飛雲集
● 採 用 浦和法人 篠田 喜弘
美点見てどの学生も個性あり採用面接迷い悩まし
経営は良い人材との巡り会い内定決断暫し躊躇す
○評 立場の上で悩まれましたが、前向きで明るく詠めています。
作者の心境通りに決まることを祈っています。
● 三郷 加藤 地次
葉陰より恥ずかしげに太良の花お輪塔のような白い花だよ
● 岩槻 木城 茂雄
八代亜紀の舟歌聞きて口ずさむ敬老会にうたおふと思う
● 差間北原台 伊藤 譲次
コスモスの花咲く丘は人の波目をよろこばす色と花柄
青泉集
● 祖父母 浦和法人 志村 厳
祖母の死に男は泣くなと言いし祖父今日穏やかに祖母の後を追う
冷蔵庫軽く持ち上げ驚かせし明治の男の祖父が旅立つ
○評 気骨というものを持っておられた明治生まれの方がまた一人逝ってしまわれた。 二首共具体的な表現が故人に親近感を覚えさせます。
● 看 護 浦和法人 浅野 博
お元気で長生きしてよという叔母に気丈な父のひとすじ涙
寝静まる夜中にいくどトイレたつ瀕尿の父生きてる証
○評 どんなに気丈だった人も加齢には勝てず、そこにうからの愛が注がれて涙されるのかもしれない。世話される方は大変でしょうが。
● 越谷 米山 照子
畔道にコスモスの花咲き乱れ秋蒼天に白雲浮かぶ
● 新郷 栗林 重夫
念願の永平寺にておごそかに先祖の供養ありがたきこと
● 松伏 岡田 愛子
秋たけり稲刈りすすむ黄金田に白鷺飛び交う夕暮れ時を
● 松伏 竹俣 吉康
白鷺が夏水草の刈れる後降りてエサとる朝の静けさ
● 越谷 大住 賢治
秋晴れの空どこまでも青く澄みそよぐ木の葉に陽光やさし
● 越谷 山下ヨシ子
おばあちゃん見ててと踊るチアダンス汗びっしょりの女孫(まご)を観ている
● 西行田 小沢 政治
秋の空紅きリンゴの背に蒼くはるかに澄みて風吹きわたる
● 浦和法人 小野寺文男
人と人の絆を思い父母と遠い祖先に感謝深まる
● 浦和法人 堀切 広子
残暑日の涼しき風に振り向けば我の後に人の過ぎ行く
● 浦和法人 小山 昭男
ホテルから眺める夜景極楽もあの通りかと思うたまゆら
● 浦和法人 前田 勝弘
我が女房真白きパックを顔じゅうにあのオペラ座の怪人のごと
● 浦和法人 國武 建明
浦和にも蘇鉄やレモン育ちおり地球温暖化を身近に憂う
● 深谷 小池 博
ぜんそくの次男の咳きに夜半目覚めはんてんまとい心配する妻
● 大宮氷川 大竹 豊子
吾が長女結婚相手はアメリカ人いよいよ親の手もと離れて
● 浦和法人 小野寺文男
催促の封書を開けるその瞬間明日への希望を力づよく誓う
● 浦和法人 堀切 広子
夕暮れの車窓に流れる秋の空過ぎ行く夏の別れの景色
● 浦和法人 小山 昭男
さつまいもの茎久びさにいただきて幼なきころを思い浮べる
● 浦和法人 荒井 康治
庭になる柿を選びておすそわけ当家に残る甘ききずもの
● 浦和法人 小滝 敏郎
秋と冬バトンタッチの日曜日子らは嬉々としツリーの準備
● 大宮氷川 内海 頼子
いつ来ても富士の景色に癒されて絵心あれば画き残したし
● 西行田 金子袈裟巳
ずばり言う妻の言葉は神の声明日の商談これで決まりだ
● 西行田 清水義夫
台湾の市場廻りは大好きだ朝早くから元気貰える
