しきなみ短歌誌より埼玉県倫理法人会会員の作品を紹介
2008年12月号より
真砂集
●紫陽花 埼玉 前川 伊田 誠一
紫陽花が今を盛りと咲き誇り人の波続く成就院に
庭隅の紫陽花の葉にしがみつきゆっくり進む蝸牛見ゆ
飛雲集
● 岩槻 木城 茂雄
ベンツよりバイクに変えて出勤す息子の影にきびしさを知る
突然の解雇の通知受け取りぬ年寄りに波思い知るなり ○評 ガソリンの値上がりは家族も気になります。実感が伝わります。
●妻と共に 浦和法人 篠田 嘉弘
流れくるタンゴのリズムを聞きながら愛しき妻と涼を求める
軽快なコンパルシータのあのリズムワイングラスを手元で揺らす ○評 殊の外暑かった夏に耐え優雅な作者に乾杯です。
青泉集
●母の夢を見る 新郷 栗林 重夫
久々に亡き母の顔ほほえみて夢から覚めて涙こぼれる
みそ汁を飲むたび思う遠い日の母の味には勝るものなし ○評 亡き母の笑顔を夢に見られ、よかったですね。私も亡母に逢いたいです。おふくろの味はいつまでも忘れがたいものですね。
●ありし日の母 浦和法人 國武 建明
田植時はかすりのモンペを着た亡母の笑顔と汗の姿忘れじ
田植後のモンペの泥は色乾き昼飯支度の亡母は忙し ○評 農家の主婦としての働き者のお母さまをきめ細やかに描写され、好感がもてます。二首目下句を「昼餉支度の母は忙(せわ)しき」に。
● 手を広げおどけてみせる老い母に来年の夏また会えるとも 三郷 加藤 地次
● 屋根の上吹出る汗は雨のごと久喜の駅舎のクーラー修理 差間北原台 伊藤譲次
● 早朝の足軽やかにウォーキング吾が足音を聴く楽しさよ 松伏 岡田 愛子
● 朝顔が垣根の間より顔を出しそっとあいさつ交わすがごとし 松伏 竹俣 吉康
● さわやかに風吹き渡る朝となり鳥の声声澄みて聞こゆる 越谷 米山 照子
● ママに似てここにホクロが有るという孫のホクロを見つつ楽しむ 越谷 山下ヨシ子
● 診察を終えて娘の笑顔見ゆ「胎児は無事」に打撲も吹き飛ぶ 越谷 大住 賢治
● 夕闇に稲妻光り大雨は響く轟音暑さを忘れる 浦和法人 前田 勝弘
● 蝉達よこの次生まれ出る時は道端でなく所選べよ 浦和法人 小山 昭男
● 真夏日はプールに変身家の風呂オモチャ浮かべて大はしゃぎの孫 大宮 大竹 豊子
● 那須が原街道ぞいに咲き誇る松の並木に映える紫陽花 西行田 清水 義夫
● 肉厚の妻の手にぎり言ってみる昔「かわいい」今「ありがとう」 西行田 小澤 政治
● キャデーさん僕にも声をかけてよねたまには出るよナイスショット 西行田 金子袈裟巳
● 久びさにホームの祖母の顔見れば想い出めぐりて涙流れる 深谷 小池 博

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