しきなみ短歌10月号より法人関係者の作品

白光集

● 孫 陽(はる)くん         岩槻 横山みつほ

  ジェット機に乗った様なる時の早さ今朝は五月のカレンダーめくる

  六月の十日に生まれし初男子陽くん明るく元気に育て

  庭に咲く大山れんげ白き花みどりの風にまかせてゆらぐ

群蛍集

●  やすらぎ       前川第二 浅尾和子

  三峰の山は緑に輝きて静かに沈む夕日いだくも

  老づきし吾を気づかう妹のやさしさしみる電話の声に

●          差間北原台 伊藤譲次

  里帰りににぎわうSAレストラン冷房工事に徹夜す吾は

真砂集

●            大宮 和田せつ子

  遠みゆる故郷の山霞みたり我が魂の帰る処は

  潔く花びらパット開きたる「隅田の花火」と名付く紫陽花

 ○評 自分の魂の帰る処を思う遠霞みの故郷の山も「隅田の花火」と

     名付けられた紫陽花のの様も目裏に鮮やかに浮かぶ歌。

                前川 井田誠一

  淋しさは子供の情報知らずして妻のみ知りて洩れ聞きしとき

  さ庭辺にブラックベリー植え込みてジャムを作るを夢みておりし

●            三郷 加藤地次

  卒寿越え何の楽しみあるのやらせめて葉書を母に書く日日

  三十歳過ぎ五人の子等の義母となり曾孫の誕生喜びています

飛雲集

●  郭 公      浦和法人 前田勝弘 

  ゆくりなく団地の木々に啼くカッコウ追われてきたのか湖畔の森を

  早朝を軽ろやかに啼くカッコウが「いってらっしゃい」と妻にかわりて

  ○ 評 夏の鳥カッコウが団地にいるのは珍しいです。

     奥様の代りに「いってらっしゃい」はユーモアがあります。

●  母         浦和法人 篠田喜弘

  幾筋の皺も弛みてほおもこけ母はひねもす天井見詰む

  母の額一皺ごとのドラマある舞台よ続け百歳までも

  ○ 評 動きが出来ないお母さんの介護より母への感謝の気持ちが詠めて

         いる「百歳までも」が印象的です。

●              岩槻 木城茂雄 

   朝早く街の清掃終えて今思いつつ般若心経

●              越谷 山下ヨシ子

  犬を曳く朝の散歩の夫の背に昇り来る陽の当るまぶしさ

●               松伏 岡田愛子

  藤棚の下より眺むる紫の花房長く長く連なる

青泉集

●  妻              浦和法人 荒井康治

  此の歳で何をせわしく汗ばむや家業愛(いとし)し妻も愛し

  是雑草よと妻に言われし庭先に残せば楚々と花は咲いてる

 ○ 評 仕事と家庭の両立…などという生やさしいものではない深い思いが滲む作品

   「汗ばむ」は「汗する」の方がいいですね。

●            浦和法人 小山昭男

  ポリープを取るまで不安で眠れぬ夜続いていたにあっさりと取れ

  メダカの子今年も生れ老い妻と会話が増えて花咲いたよう

 ○ 評 良性の腫瘍だったのですね。眠れぬほどの悩みもあっさりと

     解決され二首目の比喩にそのうれしさが窺えます

●            浦和法人 堀切広子

  久びさに実家より来し父母を待たせていまだ仕事終らず

●               越谷 米山照子

  仔を生みてひたすら乳をあげる猫用足し以外そばを離れず

●                浦和法人 浅野 博

  欲しいもの何もないと施設での父の安らぎひとつの覚悟

●                浦和法人 小野寺文男

  来たる夏いつも出す熱決意熱きのうとちがうきょうの歩きは

●             浦和法人 國武建明 

  ぽっかりとおむすびみたいな島浮びグリーンの海水浅虫温泉

●                 浦和法人 志村 厳

  あと一軒チケット片手に汗ぬぐうまだ見ぬ友よ君は何処に

●              浦和法人 小滝敏郎

  初夏の風息子と信濃路小旅行ふとした瞬間背の伸びに気付く

●              浦和法人 久慈須美子

  雨上がり若葉の香りいっぱいにあなたと楽しむ峠の小道

●              新郷 栗林重夫

  梅雨空にあじさいの花雨上り光に当りキラキラ光る

●           大宮氷川 内海頼子

  泥んこで手がけし陶芸面白く孫との絆より深まりぬ

●             大宮氷川 大竹豊子

  故郷に戻りて歩く細き路地思い出すのは幼なき日々よ

●              西行田 清水義夫

  荒れた庭暫く振りに芝生張り喜ぶ妻に我が腕あがる

●             西行田 金子袈裟巳

  電車内右も左もマスクマン負けてたまるかインフルエンザ

●              西行田 小澤政治

  道の辺の狭き耕地の麦を踏む妻と老父の歩みは重し

しきなみ短歌9月号より法人関係者の短歌

 

白光集

●  足利フラワーパーク   岩槻 横山みつほ

思い立ち高速道路をひた走る日光連山ま近に見つつ

風が舞い八重の桜の花ちりて我が身をつつむ至福の時間

藤の香と風にゆれいる花房に時を忘るるフラワーパーク

  

群蛍集

●  誕生日            前川第二 浅尾和子

  誕生日娘に誘われて夕食を木曽路で過ごす感謝の夕べ

過ぎし日の思い出のうた詠みながら涙あふれる誕生日の夕べ

 

真砂集

●                        大宮 和田せつ子

心地よき春風に舞い桜散るほのかに甘き香り残して

雑草も共に生きてる仲間だと慈しみつつ引きもせずおり

 

                   前川 井田誠一

  限りなく花びら散りて池の面に風にふかれて花筏となる

程好くに陽を吸い込みし夜具に入る幸せ思うこのひとときを

 

飛雲集

●              浦和法人 篠田喜弘

我が儘に妻を頼りに四十年よくぞここまでありがとうです

●              岩槻 木城茂雄

  原石を宝石にして返します校長の祝辞凛たる響き

●              三郷 加藤地次

  角刈りの緑の垣根の間より赤色芽もちきらきらと燃ゆ

●              差間北原台 伊藤譲次

 畦道を孫とたわむれ散歩する田甫おちこち水はられおり 

 

青泉集

●  イチロー       越谷    大住賢治

  満塁の記録打席で本塁打イチロー走り努力語らず

  あっさりとやってくれると張本の讃える声も強くて静か

 ◎評 野球界の日本の大物、いや世界の大物たちは、口数少なく、

          いつも冷静ですね。私たちも見習いたいものです。

 

●  父              浦和法人  浅野 博

 いつ戻る顔見るたびに聞く父にこのままいると即答したい

 施設行き決まって喜ぶ父の顔わが胸中は虚しく寂し

◎評 年老いての独り暮らしの寂しさを作者は充分わかってさし上げて

        いるものの、どうすることもできない葛藤、真実の思いが吐露された。

 

●            松伏 岡田愛子

 蘇りし母の笑顔は光なり生命の尊さかみしめし日の

●            浦和法人 國武建明 

  義母(ハハ)の命数カ月だと我に言う妻はかなしい目指し向けて

●                  浦和法人  小滝敏郎

 早春の風さわやかな渡良瀬の土手の緑に踊る菜の花

●                  浦和法人  荒井康治

 助けたしと思う心は通じねどせがれに家業譲る決意す

●            新郷    栗林重夫

  水仙の見事に咲いた御礼にと肥料たっぷり来年を待つ

●                  松伏    竹俣吉康

  さえずりが赤子の声に似て聞こゆ穏(おだ)しき陽の差す雨あがりの朝

●                  越谷    米山照子

  亀虫が洗濯物にとまってる小枝の先でそおっと逃がす

●                   越谷    山下ヨシ子

  手のひらに余る苺をもぎて食む女孫の春の休み今日まで

●                 浦和法人 久慈須美子

 月一度可愛いい嫁のメールにて見れば嬉しい孫の成長

●            浦和法人  志村 厳

  寝室で本を片手にハイボール一つ屋根の下家族居る幸(さち)

●               浦和法人  前田勝弘 

 藤の花京の舞妓の髪飾りふっとよぎった羽子板美人

●                 浦和法人  小野寺文男

  さわやかな笑顔でつながる人と人返事なくとも勇気千倍

●              浦和法人  小山昭男

  心の師古希迎えたり定年になれども我れの心の鏡

●                  大宮氷川  内海頼子

  境内の光まぶしき新緑の耳を澄ませば息吹聞こゆる

●             大宮氷川  大竹豊子

  満開の桜の下で遊ぶ孫花びら顔に受けて愛らし

●             西行田  清水義夫

 毎朝のロードサポート気持良いマナー良くなり環境美化す

●             西行田  小澤政治

  春の朝生命萌え咲く桜花かすみのごとく里山染めて

●             西行田 金子袈裟巳

 熱弁で倫理伝える研究員講師姿は父親そっくり

 

しきなみ短歌8月号より法人関係者の短歌

白光集

●                    岩槻 横山みつほ

沈丁花クリスマスローズ咲き盛り夫の手入れす庭の輝き

 孫藍花高校入学祝わんと桜咲く日を水戸へと向う

桃さくら辛夷花咲く八郷村師の道場の戸は閉ざされぬ

 

 

群蛍集

● 感 謝               前川第二 浅尾和子

 ひたすらに吾を見守るいとし娘は声なく逝きし夫の宝か

 亡き夫は吾に幸せ残せししか静かに過ぎる感謝の日々を

 

 

真砂集

● 花咲けばとて    大宮 和田せつ子

こぼれ落ちし桃の蕾を水にとるその愛らしき花咲けばとて

ディスプレイされた花屋にチューリップバラにブバリア春色おどる

   評 散った桃の蕾を水に浮かべその咲くを願い、春の花でディスプレイされた

花屋さんの明るい景を詠う。いい歌です。

 

                 前川 井田誠一

 節分草白き小花の風に揺れ木々の間に楚々と咲きおり

 愛猫はエンジンの音聞き分けてドアを開けると迎えに出てる

 

 

飛雲集

●           浦和法人 篠田喜弘

 満開の西南桜は変わらねど何時も連れ添うお袋来れぬ

 枕元の吾の顔を見て何方様息子忘れる母そこにおり

 ○   評 母親の介護、少しずつ進む病、前向きな生活の中に短歌が

    支えになる様に祈ります。

 

●              岩槻 木城茂雄

  一枚にその子の幸を祈りつつ卒業証書書きおり妻は

●          差間北原台 伊藤譲次

 おぼろ月愛好会のハーモニカ我奏でる妻らは歌う  

             三郷 加藤地次

   おふくろさん九十二歳おめでとう僕も今年六十八歳

 

青泉集

●               松伏 岡田愛子

 写メールの画面に写る孫の顔大きな目元は母親ゆずり

 やわらかき孫の桜子に頬ずりす少し幸せもらったようだ

 ○   評 今はどんなに遠くても写メールで孫に会える時代、頬摺りをして

     桜子さんに生きる力をもらったことでしょう。

 

●  娘の卒業式    西行田 金子袈裟巳

 卒業の式を迎えし今日の吾娘友との別れ涙で惜しむ

 卒業を無事に迎えし我が娘の夢は大きく世界にはばたけ

  ○評 学生として最後の卒業式なのでしょう。お父様の期待が素直に詠まれ

      ました。

 

●            浦和法人 國武建明 

  目の前にいきなり現わる岩木山どっかとすわる親父にも似て

●                  浦和法人 久慈須美子

 現実の厳しさを知る便りあり思う以上の世の中の風

●            新郷    栗林重夫

  水仙のその根は太くたくましく季はおとづれ見事に開く

●                  松伏    竹俣吉康

  容赦なく吹き来る北風(かぜ)に白梅の花は散りゆく無情の風よ

●                  越谷    米山照子

  桜咲く黄昏時の公園に母と子と犬まだ遊びいる

●                  越谷    山下ヨシ子

  鳰鳥は波紋残して潜(かず)きしが予期せぬ位置に頭出したり

●            越谷    大住賢治

  お隣家は日当たりも良し白梅満開窓を放ちて深呼吸

●            浦和法人  志村 厳

  桜咲き桜散り行きもう夏日今年の夏も暑くなるかな

●                  浦和法人  前田勝弘 

 いま大根三月もすればスマートにならん新人社員の乙女

●                  浦和法人  小野寺文男

  他人のこと欠点ばかり目に入る明日は我が身と置きかえるかな

●                  浦和法人  荒井康治

 身に迫る不況の風の足音に明日の我が身は如何に過ごさん

●                  浦和法人  浅野 博

 若き頃父と眺めた立山の勇姿なつかし今は思いで

●                  浦和法人  小滝敏郎

 春休み宿題取り組む我が娘辞典をめくる背に目を細む

●            大宮氷川  大竹豊子

  新しい園服を着てすましこむ鏡の前の三歳の孫は

●                  大宮氷川  内海頼子

  卒園を三人終えてヤレヤレと本音のママは幸せの顔

●             西行田  小澤政治

  「何時帰る」問わずに送る我が妻に早く戻るとあてもなく言う

●               西行田  清水義夫

 三日間晴天のもと指宿の初の砂風呂皆で楽しむ

しきなみ短歌7月号より

白光集

● 梅の咲く         岩槻 横山みつほ

 梅の咲く北鎌倉に降り立てば明るき日射しに胸ときめかす

 梅林に河津桜もほころびて新宿御苑をそぞろ歩みぬ

 沈丁の花の香りのただよいてほほえみ見つむ靴箱の上

 

群蛍集

● 千羽鶴         前川第二 浅尾和子

 日だまりで千羽鶴折る指先に感謝の涙落ちる老いの身

 折りし鶴糸につなげる友と娘のひとみは祈るやすらぎの日を

 

真砂集

             大宮 和田せつ子

 恋人に会いたる乙女の笑むに似て早春の陽にクモマソウの咲く

 最後まで薔薇なることのプライドを保つがのごとその香を放つ

             前川 井田誠一

 寒き朝川面に寄り添う白鳥は長き旅路の翼休めり

 雨上がり狭庭に早くも福寿草ただ一輪の春を告げおり

 

飛雲集

● 中学受験      岩槻 木城茂雄

 ほっぺたをつねってみてね孫娘夢でないね中学合格

 神様よ仏様よと拝みいてハラハラドキドキ合格をきく

○評 受験にも色々ありますが、中学受験は特に難しいですね。

        お孫さんと作者の喜びが伝わってきます。          

●            差間北原台 伊藤譲次

 五十一年振りに相会う同級会姿変われどなまり変らず

●           浦和法人 篠田喜弘

 常陸利根の川面を抜けて吹く風はまだひんやりと耳元かすむ

●           三郷 加藤地次

 産室の隣の部屋でそわそわと婿さん立ったり又座ったり

 

青泉集

● 初孫の宮参り  越谷 大住賢治

 まほろばの大和の国に生を受け初宮参りの白梅の花

 初孫は母の腕にいだかれてつぶらな瞳に白梅を見る

○評 初孫の初宮参りお目出度うございます。麗しく、素晴らしい日本に生まれた初孫を抱く作者の喜びが伝わってきます。嬰児のつぶらな瞳には、境内の白梅がこの上なく美しく写り清しき香りを感じた事でしょう。

 

● みちのく    浦和法人 國武建明 

 時折に車窓に見ゆる川だけが雪を溶かした黒い帯なり

 トンネルの合い間に顔出す岩木山目に焼き付けんと時をうかがう

○評 東北を旅した時、バスの運転手さんに、「冬にもう一度」と言われました。

  その良さを作者はとらえましたね。

●        新郷 栗林重夫

 創業が三十年になりし今しみじみ思う妻いればこそ

●        松伏 竹俣吉康

 活発に動き飛び交う寒雀我も負けじと足早めゆく

●        越谷 山下ヨシ子

 二人して血圧計る日課なり赤と青との折線グラフ

●        松伏 岡田愛子

 寒中に家のリフォーム始めたり壁の白さに部屋よみがえる

●        越谷 米山照子

 梅林の小路歩けば梅の香の仄かに薫る早春の朝

●         浦和法人 小山昭男

 年金の掛忘れしと言われ続けようやく疑念晴れて救わる

●        浦和法人 小滝敏郎

 刺すごとき風と氷雪小樽の地出迎えし人の心は暖か

●        浦和法人 前田勝弘 

 春の風陽は暖かくも肌をさす雨水の午後は木の芽萌え出す

●         浦和法人 志村 厳

 おいしいね顔がほころぶ我が娘頑張れおやじ娘の為に

●        浦和法人 小野寺文男

 朝礼でさあ出発だ我が身捨て倫友とともに勇気倍増

●        浦和法人 浅野 博

 雪のないこの冬富山に老い父は買い物楽と笑顔でご機嫌

●        浦和法人 久慈須美子

 ヨガ体操歳のわりにはいいかもと自画自賛してはりきる私

●         浦和法人 荒井康治

 白子浜桜の香り早々と強き風にも散らぬ花びら

●        浦和法人 堀切広子

 握りあう手と手の絆母子連れいそいそ歩く卒業式で

●        大宮氷川 内海頼子

 愛らしく木立の中で咲く花は我の大好き雪割草よ

●        大宮氷川 大竹豊子

 ディズニーランド孫と一緒の日を過ごし想像の楽しさ味わう

●        西行田 清水義夫

 早起きしトイレ掃除に参加して便器ピカピカ気分爽快

●        西行田 金子袈裟巳

 芦野の湯不況知らずに各地から健康願いて杖つき通う

●        西行田 小澤政治

 年齢超えてダンスシューズに夢のせてスロークイック気分はスター 

しきなみ短歌6月号より 法人関係者を抜粋

 

白光集

                    岩槻 横山みつほ

  トナカイまたサンタの光につつまれておとぎの世界に入りゆく孫

  スタジオにレモン色のドレス着て三歳の孫のおすましの顔

  いきつけの店に集えば店長が差し入れくるるおでんの大皿

 

群蛍集

◆ シルバーカー         前川第二 浅尾和子

  初春に孫から嬉しきお年玉初めて購うシルバーカー

  生かされて幸せ思うしみじみとシルバーカーに「ありがとう」を言う

 

真砂集

   

                     前川 井田誠一

  黒川の白き湯煙り癒し色ぬる目の湯にも趣きのあり

  黒川のせせらぎの音聞きながら自然の中に生きている我

 

                  大宮 和田せつ子

  生垣の木瓜の一群れほつほつと花色淡く咲き初めにけり

  一筋のひこうき雲のしるくして西めざしゆく太寒の空

 

飛雲集

 孫               浦和法人  篠田 喜弘

  授かりし孫を抱く手はこわごわにあやす仕草はとっておきなり

  週末に真央ちゃんが来る連絡に爺爺も婆婆も浮き浮きと笑む

 ◎評 孫のかわいさの表現が巧みで印象的です。まれに来る孫は

          余計に気になります。

 

一年生箱根の坂をかけ登り八人を抜き首位に立ちたり     岩槻 木城茂雄

おめでたのおばさんの腹なでながら耳あてて聴く孫の二人は   三郷 加藤地次

一年間風邪はひかぬという伝えどっぷりつかる冬至のゆず湯  差間北原台 伊藤 譲次  

 

青泉集

  初 孫               越谷    大住賢治

  初孫は産まれた途端に主役の座寝顔泣き顔また笑まう顔

  赤鬼のように泣かれし初孫に全面降伏娘()を呼びにけり

  ◎評 初孫の誕生、お目出度う御ざいます。寝顔、泣き顔、にんまり笑う顔、どれを 

     眺めても主役。真っ赤になって泣かれると、やっぱりママの出番ですね。

     初孫さんをよくとらえて詠まれました。

 

  年越し               松伏    竹俣吉康

  年越しの蕎麦すすりつつ一年を顧みすれば急変の年

  黙々と牛の如くに働きぬ得意なること一つと無きも

    評 昨年は大変な年でした。そして、年明けも不況の嵐が吹き捲っています。

黙々と働く事こそが一番大切な取り柄です。先師の「苦難福門」を信じて、

お互い仕事に励んでまいりましょう。

 

駐車場いっぱいの客を引き寄せる国産大豆の甘き豆腐は   越谷  米山 照子

節分は今年の場合は国中で不況の鬼を追いはらいたい    新郷  栗林 重夫

寒風の吹きすさぶ夜に帰る家子らの寝顔に心は春風      浦和法人 小滝敏郎

ビル街に日暮が既に迫りつつ待ち人の影を我に引き寄す   浦和法人  荒井康治

公園のトイレ掃除にはげむ朝凍てつく手足に陽だまり恋し   西行田   小澤政治

冬色に沈み広がる信州路父看に帰るわが目にかなし      浦和法人 浅野 博

春よこい大きな声でうたう孫背にランドセル鏡に映す       大宮氷川  内海頼子

目をはらしあくびをひとつコート着るもうすぐ春だ頑張れ我が子 浦和法人  志村厳

元旦の日の出拝みこの一年喜び満ちた働きを誓う         松伏    岡田愛子

年越しのそばを夫と戴きてかたみに分けるビール一缶        越谷  山下ヨシ子

実家から呼びだし父母孫を見て微笑みこぼしよろこびており   浦和法人堀切広子

風吹きてフェニックスの葉ゆれなびくインディアンの羽飾りの様に 浦和法人前田勝弘 

我が妻の作る食事を幼子のごとく待ちわぶ米寿の義母は    浦和法人小山昭男

◆ 路肩には木枯し吹いて積む落ち葉ゴミになるやら土に生()るやら 浦和法人 國武 建明 

寒い道ごみ拾いつつ急ぎ足胸はあたたかMSの朝      浦和法人 久慈須美子 

寒中に想うのは父母のやさしい笑みと厳しき言葉       浦和法人 小野寺文男

高熱も可愛いい声にはげまされ癒されては寝てはいられず  大宮氷川 大竹豊子

高尾山三十八度のケーブルカー下りの車窓に映える南天  西行田 清水義夫

行田には足袋と古墳の歴史あり伝統伝える柄足袋履いて 西行田 金子袈裟巳

しきなみ短歌5月号より 法人関係者を抜粋

 

白光集

            埼玉岩槻 横山みつほ

  鳥々の声ひびきくる雨後の杜すそをからげて七五三の子ら

  落葉舞う日本庭園静けさによくひびくなり小鳥の声は

  東のみ空に低くオリオンの空に懸りて冷えまさる夜

群蛍集

◆ 時の流れ  埼玉前川第二 浅尾 和子

   「おばあちゃん」と呼ばれて「ハイ」と返事するいつしか老をみとめし吾は

   秋去りて裸木照す月あかり逝きにし夫の笑顔浮かびぬ

真砂集

◆          埼玉大宮 和田せつ子

  小春日のひかり返してもみじ葉は池の面に散る錦織りつつ

  母病めば幼き我の手をひきて病院訪いしを時にし思う

           埼玉前川 井田 誠一

  霧深し大涌谷は人多く富士の高嶺も見え隠れする

  庭隅の紫式部実のたわわ孫は喜び全てつみ取る

飛雲集

のみ放題どんどん飲めと云われてもジョッキ一杯に酔いがまわれり  岩槻 木城茂雄

春を待つ母と一緒に食事する母の笑顔に我は安堵す               三郷 加藤地次

紅葉づく塔野の辺り野仏がひっそり佇み萩の花満つ               浦和法人 篠田喜弘 

トントンと野菜切る音に目ざめたり妻のリズムをははに重ねて         差間北原台 伊藤譲次  

 

青泉集

◆ 生まれくる子を待つ夫はひたすらにわれの背中をさすりくれおり       松伏 岡田愛子

   産声をあげる我が子に涙する夫はひとことありがとう

    評 近年はお産に立ち合われる夫も多くなりました。

夫婦は力を合わせて、子女の生命も家庭の幸福も

生み出だしたいものです。私の長男は四千グラムでした。

虎の啼き声のような産声を今でも覚えています。

寒風に耐えて春待つ桜見る襟立て佇つ弘前城に                  西行田 金子袈裟巳

リビングのテーブル掃除しただけで特急券を我引き当てる             西行田 清水義夫

百年に一度とかいう不況時に「満面の笑み」よしこれで行こう         新郷 栗林重夫

水かさの増したる跡を残せしが今朝中川の流れたおやか             越谷 山下ヨシ子

萎みても尚咲き続く朝顔の立ち止り見ゆ霜月の朝                   松伏 竹俣吉康

雨あがり朝日をうけて落葉掃く黒土の面の帚の跡よ                  越谷 米山照子

職解かれ声を合わせて団結すかつての労組思い出さるる            越谷 大住賢治

あさ起きてスタートダッシュ今日一日何がなんでも結果が勝負        浦和法人 小野寺文男

熟柿を昨日逝きたる友に観て目で追う数やわれに見立てて            浦和法人 荒井康治

顔つやは若々しくて健康と叔母にほめられ老い父にっこり             浦和法人 浅野 博

口髭を鏡に写し見惚れれば威厳と阿呆とこもごも楽し                浦和法人 前田勝弘 

新年にわが商いの誓いたて念いにぶらさず牛歩のごとく                浦和法人 志村 厳

新春の雪降る里の露天風呂子らが差し出す手にも粉雪             浦和法人 小滝敏郎

車椅子座敷に上げて祝うかな米寿の母を宝のように                  浦和法人 國武建明 

白き息はきつつ構える初打ちは今年こそはと願いつつ打つ            浦和法人 小山昭男

大晦日母から届く宅急便箱を開ければ搗きたての餅                 浦和法人 堀切広子

霜避けて屋根下に置きし大根が凍りついたり戸惑う朝                浦和法人 久慈須美子 

クリスマス近づく日々に我が心孫よりウキウキブレゼント選ぶ             大宮氷川  大竹豊子

喜寿の夫よくぞここまで生きられて感謝深まる親への思い              大宮氷川 内海頼子

スキップし腕ぶら下がる妻と跳ぶ家庭の重みしばし忘れて               西行田 小澤政治

朝もやに包まれ歩く散歩道息子の合格朝日に願う                   深谷 小池 博

しきなみ短歌4月号より 法人関係者を抜粋

 

白光集

◆ コスモス祭り           埼玉 岩槻 横山みつほ

  耕運機にリヤカーつけて幼子をごとごと運ぶコスモス祭り

  我が杜の秋の太祭におそくなり独り頂くお抹茶の味

  かしこみて坐る杜の月次祭枯れ葉ちらちら斜に散りくる

 

群蛍集

◆ 義姉との別れ         埼玉 前川第二 浅尾 和子

  義姉逝きて空しき心捨てきれず無口になりて雨音をきく

  親しみし義姉は逝きたり秋の夜思い出深く吾が胸にのこし

 

真砂集

◆ 秋の華やぎ           埼玉 大宮 和田せつ子

  紅葉する一葉一葉の命もて圧倒される秋の華やぎ

  緋色なる躑躅もみじは我が内のマグマの如き緋なるもの呼ぶ

   ○評 紅葉の一葉、一葉に生きづく生命と相呼応する

            作者の内なる命。官能的ですらある。

                   埼玉 前川 井田 誠一

  柿の実は枝しなるほど重々と色づく程に期待ふくらむ

  深山に紅葉踏み分け登りくる秩父名水出る所まで

 

飛雲集

● 観賞会招かれて聞くオペラの曲妻の横顔輝いて見ゆ            岩槻  木城茂雄

● 愛犬は病みてペッドに横たわる声を掛ければふりしぼり立つ     三郷  加藤地次

● 真央迎えジジとババとのだき較べパッとはなやぎ喜々とし笑顔   浦和法人 篠田喜弘 

● 旅行ながら妻に嬉しき芋畑紅葉そこそこ土にたわむる            差間北原台 伊藤譲次  

 

青泉集

● 看護の父            浦和法人  浅野 博

  暗闇に静かな寝息老い父の安心せよと語るが如し

  朝早く起きて食べたき朝食を父は待つなりわれ起きるまで

  ○評 大変さや暗さは微塵も感じられない介護短歌。

     お互いへの思いやりがあるからでしょう。

● 肩までも伸びし頭髪なでながら夢ある人生楽しめ女孫よ         越谷   山下ヨシ子

● 墓の辺にま向い亡父に我は告ぐ笑顔の人生送りて居ると        西行田  小澤政治

● 寒風と澄み渡る空のコンチェルト師走を迎え気持ち凛とす       浦和法人 小滝敏郎

● 我が妻は亡き母に似て洗濯に掃除料理なんでも上手           新郷    栗林重夫

● 産月に腹に触れつつポコポコと元気でいるねとささやきている      松伏   岡田愛子

● 天高く緑は黄ばみ色づきぬ視界は広し180度                     松伏   竹俣吉康

● 見上げれば赤黄緑のもみじ葉にちらりちらりと雪降りかかる        越谷   米山照子

● かあちゃんと呼べばここだよと応えくる幼きころの麦ふみの母        越谷   大住賢治

● 蓑虫の風に揺れたる季節より家業は厳し寒さも早し             浦和法人 荒井康治

● しきなみの原稿いまだ白紙なり空転するのみ日々の生活       浦和法人  小野寺文男

● 世の矛盾食語りても見えてくる命の元は粗末にすまい           浦和法人  國武建明 

● 静寂に父がパソコンのキーボード打つ音響く夜の職場に         浦和法人 志村厳

● この不況チヤンスと受けて材料を安く手に入れ伸ばさん会社   浦和法人 小山昭男

● 冬の朝息子と二人で里帰り御先祖様に元気にあいさつ       浦和法人 堀切広子

● 降りそそぐ雨に打たれてつぎつぎと落つる黄葉地面を飾る       浦和法人 前田勝弘 

● いごこちのよい世の中に向かうため手段は違えど心はひとつ    浦和法人  久慈須美子 

● 不良会員のわれを気遣う先輩の恩の深さにただ感涙す        浦和法人  吉野康幸 

● 敷き詰めた黄色の絨毯秋の庭カサカサ音たて遊ぶ孫達        大宮氷川  大竹豊子

● カラスウリ打ち出の小槌は種の中大きくひとふり豊かな気分     大宮氷川  内海頼子

● 宮崎の綾の吊り橋掲示板短歌の展示見入る私                  西行田 清水義夫

● モンゴルからホームステイに二人の娘我は親父になりきり迎え     西行田 金子袈裟巳

理ネットワークMARCH 2009 No77に、齊藤和子法人スーパーバイザーが執筆されています。

10頁 東西南北リレーエッセイ17か条と私 【苦難の物語は神様のシナリオ】。どうぞご覧になって下さい。

 

しきなみ短歌3月号より 法人関係者を抜粋

 

白光集

 

●               埼玉岩槻 横山みつほ

青鷺のうずくまりいるあかときの水面を低くカワセミが飛ぶ

一房のぶどうの様に育てられ兄弟五人末の子は病む

六本木ヒルズ屋上水族館ガラスの向う夜景広がる

 

群蛍集

 

● 包装紙              埼玉 前川第二 浅尾 和子

 包装紙みつめておれば過ぎし日の旅の思いでせまる秋の夜

 戦中の物なき頃を思い出し包装紙いかしつくるブローチ

 ○評 戦中戦後の物の乏しい時を経験している私達世代は

           懐かしさを伴ないつつの共感を誘われます。

 

真砂集

●            埼玉 大宮  和田せつ子

雷鳴と激しき雨の過ぎ後東天の月秋のニュアンス

水しぶきあげて餌を欲る鯉の群れ尊徳神社の境内に棲む

 

                                埼玉 前川  井田 誠一

大波の引くがごとくに孫帰るあとの静けさ淋し誘う

庭先に鳴く虫の姿なく曼珠沙華の花紅の際立つ

 

飛雲集

 

     採 用          浦和法人  篠田 喜弘 

美点見てどの学生も個性あり採用面接迷い悩まし

経営は良い人材との巡り会い内定決断暫し躊躇す

○評 立場の上で悩まれましたが、前向きで明るく詠めています。

        作者の心境通りに決まることを祈っています。


●             三郷 加藤 地次

葉陰より恥ずかしげに太良の花お輪塔のような白い花だよ

 

                                                                   岩槻 木城 茂雄

 八代亜紀の舟歌聞きて口ずさむ敬老会にうたおふと思う

 

                                                差間北原台 伊藤 譲次  

 コスモスの花咲く丘は人の波目をよろこばす色と花柄

 

青泉集

 

●   祖父母             浦和法人 志村 厳

祖母の死に男は泣くなと言いし祖父今日穏やかに祖母の後を追う

冷蔵庫軽く持ち上げ驚かせし明治の男の祖父が旅立つ 

 ○評 気骨というものを持っておられた明治生まれの方がまた一人逝ってしまわれた。  二首共具体的な表現が故人に親近感を覚えさせます。

 

●   看 護            浦和法人 浅野 博

 お元気で長生きしてよという叔母に気丈な父のひとすじ涙

 寝静まる夜中にいくどトイレたつ瀕尿の父生きてる証

 ○評 どんなに気丈だった人も加齢には勝てず、そこにうからの愛が注がれて涙されるのかもしれない。世話される方は大変でしょうが。

 

●               越谷 米山 照子

畔道にコスモスの花咲き乱れ秋蒼天に白雲浮かぶ

 

●               新郷 栗林 重夫

念願の永平寺にておごそかに先祖の供養ありがたきこと

 

                                          松伏 岡田 愛子

 秋たけり稲刈りすすむ黄金田に白鷺飛び交う夕暮れ時を

 

●               松伏 竹俣 吉康

白鷺が夏水草の刈れる後降りてエサとる朝の静けさ

 

●               越谷  大住 賢治

秋晴れの空どこまでも青く澄みそよぐ木の葉に陽光やさし

 

●                越谷 山下ヨシ子

おばあちゃん見ててと踊るチアダンス汗びっしょりの女孫(まご)を観ている

 

                                           西行田 小沢 政治

 秋の空紅きリンゴの背に蒼くはるかに澄みて風吹きわたる

 

●               浦和法人 小野寺文男

 人と人の絆を思い父母と遠い祖先に感謝深まる 

 

●               浦和法人 堀切 広子

 残暑日の涼しき風に振り向けば我の後に人の過ぎ行く

 

●                浦和法人 小山 昭男

 ホテルから眺める夜景極楽もあの通りかと思うたまゆら

 

●               浦和法人 前田 勝弘 

 我が女房真白きパックを顔じゅうにあのオペラ座の怪人のごと

 

●               浦和法人 國武 建明 

 浦和にも蘇鉄やレモン育ちおり地球温暖化を身近に憂う

 

                                          深谷 小池 博

 ぜんそくの次男の咳きに夜半目覚めはんてんまとい心配する妻

 

                                          大宮氷川 大竹 豊子

 吾が長女結婚相手はアメリカ人いよいよ親の手もと離れて

 

●               浦和法人 小野寺文男

 催促の封書を開けるその瞬間明日への希望を力づよく誓う

 

●               浦和法人 堀切 広子

 夕暮れの車窓に流れる秋の空過ぎ行く夏の別れの景色

 

●                浦和法人 小山 昭男

 さつまいもの茎久びさにいただきて幼なきころを思い浮べる

 

                                         浦和法人 荒井 康治

 庭になる柿を選びておすそわけ当家に残る甘ききずもの

 

                                          浦和法人 小滝 敏郎

 秋と冬バトンタッチの日曜日子らは嬉々としツリーの準備

 

●               大宮氷川 内海 頼子

 いつ来ても富士の景色に癒されて絵心あれば画き残したし

 

●               西行田 金子袈裟巳

ずばり言う妻の言葉は神の声明日の商談これで決まりだ

 

●               西行田  清水義夫

 台湾の市場廻りは大好きだ朝早くから元気貰える

 

朝礼風景テレビ放映予定のご案内

『活力朝礼』に取組む元気な企業 ! !

埼玉県倫理法人会会員企業がNHKの取材を受けました。

放映予定は次ぎの通りです。

放映日 平成21年2月18日(水)

時間帯 午前8時から8時15分

ニュースの流れの中で、朝礼に取組む様々な企業の様子として放映の予定です。

企業名::『シューズサロンタグチ』

企業名::『マルキユー株式会社』

ーお断りー

番組の都合上、ニュースの取扱い状況により放映されない場合がありますので、その際はご了承くださいますようお願い申しあげます。